-川口と代表

 川口のような選手の活躍を見るのは、非常に嬉しい。

 再三、失点危機に直面しても怒らず、笑顔でイレブンに安心感を与えた。以前なら、何度もイレブンに怒ってハッパを掛ける展開だった。「もう怒りませんよ。自分のプレーに集中することが大事」。川口は変わった。サッカーでエリート人生を歩んできた。清水商で選手権優勝、アトランタ五輪ではマイアミの奇跡でブラジルを完封。日本初のW杯フランス大会出場と常にトップを走った。しかし、イングランドでの挫折とW杯日韓大会でピッチに立てなかった屈辱、デンマークで控えに甘んじる苦闘の中でたくましくなって戻ってきた。控え組の気持ちが分かるようになった。

 不動のGKだった川口。しかし、海外移籍と共にチームでも代表でもその地位を失ってしまった。一度はもうだめかと思ったけど、再びこのように機会が与えられてしっかり結果を残すのはさすが。環境が成長させたのか。GKの選手としての寿命はフィールドプレーヤーに比べたら長いと思うので、頑張ってもらいたい。GKって止めればヒーローだけど失点すると戦犯になる。日本では地味なポジションというイメージがあるけど、頑張ってもらいたい。
 GKといえば浦和の控えおれたちの山岸。今年は出番が少ないけど、おれたちはいつまでも応援しているので、頑張ってもらいたい。