-批判するおれたち

久しぶりに、頭に来た。最近刺激が少ないと感じていたけど、今日は本当に頭に来た。授業での発表。未知の分野の内容。意味がさっぱりわからない。とりあえず内容をまとめて発表したけど、先生からの質問には一切答えられない。それはまあ仕方がないし、わからなくて当然と割り切っているおれたち。とりあえず淡々と発表して、再び感想を求められた。そこで、正直に答えてしまったおれたちが悪かったのかもしれない。
「やはり勉強したことがない分野だったので、何の話をしているのかよくわかりませんでした」
そこから攻撃がはじまった。おれたちの研究分野とこうすれば結び付くじゃないかと得意気な先生。意味がさっぱりわからない。なんとなく言おうとしていることはわかるけど、完全におれたちを見下している。まずおれたちの研究分野のことを全く知らないのに、わかったかのように自分の専門分野の言葉を並べてまくしたてる先生。さすがに我慢ならなくてちょっと反抗してみたけど、テンションの上がった研究者は収まらなかった。途中でこの人には何を言っても伝わらないと判断し、
「あ〜、確かに。そうですね、確かに確かに。」
と激しく同意。全部自分の研究分野と結び付けて考えてしまう世界の狭い先生が哀れに感じられた。発表しながら、このままフェードアウトしてやると考えたおれたち。しかし、D論の審査のときも必ずいるであろう先生なので、関係が気まずいのもよくない。そしておれたちの目的はただ一つ。単位を取得すること。そして、このまま負けてひきさがるのは辛いので、今度はおれたちの土俵に引っ張り込むことにした。
「先生、今度サッカーしましょう」