-おれたちのウーベ

懐かしい名前がおれたちの浦和レッズのオフィシャルに載っていた。

香港で開催されていたフィリップス・ライティング国際7人制サッカー大会(Philips Lighting International Soccer Sevens)に参加していた浦和レッズは、予選リーグを1勝2分けで通過、準決勝は4-0で勝利し、決勝に進出。決勝戦では、PSVに3-0で勝ち、見事優勝を飾りました。 なお、セルヒオ・エスクデロが大会MVPに選出されました。 そして、40歳以上の部門ではウーベ・バインがMVPに選出されています。 大会結果の詳細は、改めてお知らせ致します。

7人制のサッカーの大会でおれたちの浦和レッズが優勝したらしい。それはもちろん嬉しいこと。しかし個人的には、もっと嬉しいことがあった。久しぶりにおれたちのウーベ・バインの名前を目にした。まだ元気にサッカーをやっているという事実を知っただけで、すこぶる嬉しくなった。
浦和レッズが大好きだったおれたち。サッカーのことは良くわからなかった。94年にブッフバルトと共にやってきたおれたちのウーベ・バインはおれたちにサッカーの面白さを教えてくれた。サッカーを好きになるきっかけはいろいろあると思う。Jリーグが開幕した当初は、地元のチームということで浦和を応援していた。中学2年だったおれたちのクラスメイトに、当時Jリーグのお荷物と呼ばれていた浦和を応援するやつはいなかった。だから逆におれたちは一人で応援しつづけた。好きにならずにはいられなかった。また今日も負けた、でも次はといつも思ってた。だから、最初はサッカーが好きというよりは、おれたちの浦和レッズが好きだった。
95年から、浦和レッズは勝つ喜びを知り始めた。1勝するのが奇跡のように思えていたそれまでとは別の世界がそこにはあった。点が決まる快感を何度も味わった。その中心にいたのがおれたちの浦和レッズの象徴である福田だった。福田は昔から好きだった。弱い浦和から唯一代表に選出されていたから。そしておれたちの中でその福田にいつも決定的なパスを出す、ウーベ・バインの存在が大きくなっていった。
テレビ中継を見ているとスルーパスという言葉をよく耳にした。最初は簡単にゴールが決まって嬉しいとしか思わなかったけど、勝った試合は何度もビデオでチェックしていたおれたち。そんな中で、おれたちのウーベ・バインのすごさを知った。そこにおれたちはサッカーの面白さを見出した。浦和レッズが好きだったおれたちが、サッカーを好きになった時だった。
今はサッカーが好きで、浦和が好きなおれたち。自分がサッカーをする時はバインのようになりたいと思っていた。しかし現実は厳しく、中盤でボールをもらって前をむくことさえ難しいし、あんなパスを出せるわけがない。根本的に、左足では思うように蹴れないおれたち。
しかし、おれたちはこの記事を見て、再び希望的になれた。40歳部門のMVP。現在25歳のおれたちには、あと15年もある。15年間、必死に左足の練習をして、いろいろ頑張って、目標はこの大会でMVPになること。おれたちに、また一つ夢ができたよ、父さん。