-歯医者とおれたち

年末、歯を磨いていたらあるべき歯がなくなっていたことに気がついた。鏡で見たら、一つの奥歯の4分の1くらいなくなっていた。痛くはないけどさすがにやばいと思った。歯医者なんて小学校のとき行ったきり、行く気にもならなかったおれたち。誰が見てもやばいのは明白だったので、水曜に歯医者に行って来た。
勝手が全然わからないおれたちは、歯医者=とても混んでいる場所という認識があったため、初回はとりあえず予約だけと勝手に思い込んでいた。とりあえず大学の近くに歯医者を見つけたので、立ち寄ってみた。
おれたち 「予約をお願いしたいんですけど」
歯医者の人「いつなら大丈夫ですか?」
おれたち 「今日が水曜なんで、金曜とかどうですか?」
歯医者の人「金曜はいっぱいなので、来週以降か今日になります」
おれたち 「あ、じゃあ今日お願いできますか?」
行ってそのまま診療してもらえる。新年早々ついていると思ったおれたちが間違いだった。待つこと5分、すぐに呼ばれた。そのときはまだ、初回なので歯の様子を見るだけだと思っていた。
診察がはじまる。
ドクター 「これはひどいね」
おれたち 「はぐいっ?そふなんぺすか?」
ドクター 「神経まで行っちゃってる可能性があるね。写真をとろう」
おれたちは何の心の準備もできていないまま、歯のレントゲンをとった。そして、その写真を見ながらドクターは淡々と話しはじめた。
ドクター 「写真ではわかりにくいけど、おそらく神経までいっちゃってますね。今日治療しちゃいますんで。」
おれたち 「え、本当ですか?痛いですか?」
ドクター 「いや、そんなに痛くないと思うよ」
痛かった。本当に痛かった。痛くないなんて、嘘だってわかってた。でも信じた。信じれば痛くないと思ってた。いきなり麻酔をされて、キュンキュンされた。神経を抜いたらしい。ガリガリされた。
いつかは治療しなければもっと痛くなるのはわかる。でももう歯医者はイヤだ。